妊娠
近年、立ち会い出産を希望する夫婦が多くなっています。立ち会い出産には、メリットとデメリットがありますが、夫婦の性格などが向き不向きにも関係します。立ち会い出産のメリット、デメリットを参考にして、ふたりでよく話しあってみましょう。
立ち会い出産のメリット
1.命が生まれる瞬間の感動を夫婦で共有できる
赤ちゃんが生まれるその瞬間は、一瞬の出来事です。「我が子が誕生する瞬間の感動」と「無事生まれた安堵の気持ち」を夫婦で共有できることは「立ち会い出産」最大の醍醐味ともいえるのではないでしょうか。
夫の男泣きを初めて見ることになるかもしれません。そんな姿を見たらきっと夫婦の絆も一段と強くなることでしょう。
2.妻の気持ちが落ち着く
夫がそばにいてくれるだけで妻の気持ちは落ち着きます。手を握ったり、身体をさすったりするだけでも十分、心理的サポートになるのですよ。
お産は思い通りにすすまないものです。分娩室に入ったものの、なかなかお産が進まない妊婦や陣痛に長時間耐えなければいけない妊婦もいます。
辛いときだからこそ、夫がそばにいることで、より夫婦の信頼関係が深まることでしょう。
3.出産の大変さを夫にも理解してもらえる
お産はまさに命がけです。立ち会いをする夫は、妻が陣痛から出産を終えるまでの様子を間近で見ることになるので、出産の大変さを実感できます。
妻が必死で頑張る姿を見たからこそ、産後、妻の体をいたわろうとする思いが強くなり、家事や育児に積極的になるケースもあるようです。
4.父性が芽生えるきっかけになる
お腹の中で10ヶ月間、赤ちゃんの成長を感じたのちに出産を迎える女性と比べ、男性は自分が父親になったという自覚を持つまでにどうしても時間がかかります。
一般的には、赤ちゃんを見て、肌に触れて、抱っこして、においを感じて…といったことを通して徐々に父親としての自覚がでてくるとことが多いようですが、お産を一緒に見届けることで父親としてのスタートが切れ、父性が芽生えるきっかけになると考えられます。
5.万が一のときに後悔しない
先ほども触れましたが、お産は命がけ。いつ何が起こるか分からないリスクがあります。
例えば、「赤ちゃんが出産直後に泣かない」「緊急事態のため急きょ帝王切開になる」「妊婦が危険状態」などのケースもありえるのです。
緊急の事態の場合、経過を知っているのと知らないのでは、結果を納得し受け入れられるかどうかに大きく影響します。
考えたくはありませんが、万が一、母子に危険なことが起こった場合、出産の立ち合いをしていれば、父親として出来るだけのことをしてあげられるのではないでしょうか。
立ち会い出産のデメリット
1.妻が夫にイライラしてしまう
出産のとき、妻はとにかく必死です。たとえ、普段は穏やかな妻であっても望む通りに動いてくれない夫に対し、イライラしてしまうことも少なくないようです。
こうした事態を防ぐためには、「立ち会い出産において夫にしてほしいこと・してほしくないこと」を夫婦で打ち合わせしておくとよいでしょう。
また事前に「出産時はイライラするかもしれないけどごめんね」と一言伝えておくだけでも夫の感じ方は違ってくるのではないでしょうか。
2.夫に見せたくない姿を見られてしまう
出産中の女性は恥らいを忘れて、とんでもない形相で苦しんだり、大声で叫んだりすることがあります。また、いきみと同時に排便・排尿してしまうのも致し方ないことです。
通常夫に見せることのない姿をさらけ出すことになる点は、妻にとってデメリットのひとつと言えるでしょう。また、夫の立場の声として、そうした妻の姿にショックを受け女性として見られなくなってしまったといったケースもあるようです。
3.夫が精神的ショックを受ける
出産中は、たくさん出血をしますし、胎盤や羊水などの独特なにおいもあります。十分な予備知識と心の準備がないまま立ち会い出産に臨むと、出産の生々しい様子に夫自身が精神的なショックを受けることもあります。そうなると妻をいたわるどころではありませんね。
そもそも男性には生理がないので、血を見ると気分が悪くなる人も少なくありません。中には意識を失うケースもあるようです。どうしても血やにおいが苦手なご主人は無理して立ち会わなくてもよいでしょう。
立ち会い出産。夫婦どちらか一方が望まない場合
メリット・デメリットを考えたときに、立ち会い出産を望むかどうか夫婦で意見が分かれることがあります。そんな時はどうすればよいのでしょうか?
1.妻が「立ち会い出産」を拒む場合
妻が立ち会い出産を希望せず、夫だけが希望していることは稀なケースですが、もし妻が「立ち会って欲しくない」のなら夫は無理に立ち会う必要はありません。お産にストレスは大敵です。妊婦の希望を最優先に尊重しましょう。
2.夫が「立ち会い出産」を拒む場合
妻が「立ち会い出産」を希望するのなら、夫が気乗りしなくても、できるだけ譲歩してみるのがよいでしょう。
妻にとって心残りのある出産になってしまうと、妻は「出産の時、立ち会って欲しかったなぁ」と、ことあるごとに思い出し、夫を責めてしまうことも考えられます。
とはいえ、パニックになりやすくオロオロしがちな性格の夫は、立ち会い出産に向かないかもしれません。
もし、夫が立ち会い出産に抵抗を感じているのなら、妻は「分娩の直前までいてくれたらいい」「陣痛室に入ってくれるだけでいい」と、夫の性格なども考慮しできる限り歩み寄って、お互い納得のいくようにするのがベターですね。
立ち会い出産に向けてのやるべきこと
立ち会い出産は夫が分娩室に一緒に入り、出産の瞬間、妻の側にいることだけではありません。夫婦で立ち合い出産を選択したのなら、夫は、出産の日まで、妻のマタニティライフをサポートしながら、夫婦でともに分娩の準備をはじめていくことが大切です。
1.立ち会い出産ができる産院を選ぶ
全ての産院で立ち会い出産をしているわけではありません。そのため、立ち会い出産を希望するのなら、産院選びの時点で立ち会い出産が可能か確認しておきましょう。
立ち会い出産が可能な産院であってもルールや条件は産院ごとにそれぞれ異なります。
例えば、立ち会う人は夫以外に、第1子・親なども可能なのか、帝王切開などお産の状況によって立ち会えないケースはあるのかなど、あらかじめ産院に詳細を確認しておきましょう。
2.立ち会い出産をするための条件を確認する
立ち会い出産をするには、出産に関する予備知識や心構えなどの事前準備が必要です。そのため産院によっては「立ち会い出産のための父親教室」を開催し、夫の参加を必須条件にしているところもあります。
また、分娩室でのビデオ撮影や写真撮影の可否、立ち会い時の夫の立つ場所の指定(妊婦の頭側など)、カンガルーケアの有無、といった点などは産院により異なります。
「イメージしていた立ち会い出産と違っていた」と後になって後悔することは避けたいので、希望のバースプランがあればその要望を産院に伝え、要望をかなえてもらえるのかを事前に確認しておきましょう。
3.夫も出産までの流れを理解しておく
初めてのお産の場合、陣痛が始まって分娩まで数時間かかることは珍しくありません。中には前駆陣痛を含めて出産まで2~3日かかる場合もあります。事前にそうした想定外のケースをイメージし、覚悟を持って挑むことが大切です。
立ち会い出産で夫が妻をしっかりとサポートするためには、出産の知識をしっかりと頭に入れておくことは欠かせません。
立会い出産をしないという選択
立ち会い出産を希望しない場合以外にも、夫の仕事の事情で立ち会い出産がむずかしい場合や、妻が里帰り出産を選択し田舎に帰省してしまう場合など、各家庭の事情から、立ち会い出産を希望していても、できない夫婦ももちろんいらっしゃいます。
最近は、立会い出産が主流になりつつありますが、立ち会い出産をしない(できない)選択=夫婦の愛情が少ないというわけでは決してありません。
夫婦で話し合い、ふたりが納得のうえで立会い出産を選ばないと決めたのであれば、それでかまわないのです。
当事者のふたりが思いを尊重しあい選択したのであれば、それはふたりにとって素晴らしいお産になることは間違いないでしょう。
まとめ
立ち会い出産のメリット・デメリットについてご紹介しましたが、いかがでしたか?
「立ち会い出産をしてよかった」という方もいれば、「しなければよかった…」という方もいて、どちらがいいかは一概には言えません。
大切なことは自分たちがどうしたいのかということ。夫婦でじっくり話し合い、後悔のない選択をしてくださいね。
今回の記事が、立ち会い出産を視野にいれているご夫婦の話し合いのヒントになれば幸いです。
コメント
104ok さん