妊娠
近年、年齢や家庭状況などの理由で「出生前診断」を検討する人は増えています。しかし、検査を受けるためには、出生前診断について十分な知識を備えておくことが大切です。そこで今回は、これだけは事前に知っておきたい出生前診断の基本情報を解説します。
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出生前診断とは何?
出生前診断とは、おなかの赤ちゃんの染色体異常、先天性・遺伝性の病気、奇形などの有無を調べる検査です。
出生前診断の検査の種類・費用について
出生前診断の検査は、大きく「非確定的検査」と「確定的検査」の2種類に分けられます。そして費用は、基本的に保険適用外の自由診療扱いです。そのため、検査内容によっては費用が高額になることもあります。
〈非確定的検査〉
非確定的検査とは、胎児に疾患がある確率を割り出す検査です。精度はあまり高くありませんが、母体や胎児への負担が少なく、流産や感染症などのリスクはないので安心して受けられます。
非確定的検査をうけ、疾患の可能性が診断された場合に、確定的検査にすすむのが一般的です。いくつか種類がある非確定的検査ですが主なものを3つご紹介します。
■胎児超音波スクリーニング検査
実施時期は妊娠初期(11~13週)と妊娠中期(18週~20週)があります。
妊娠初期には、NT(胎児の首後ろに形成される浮腫)の肥厚検査、鼻骨の形状・耳の位置の確認、静脈管の血流検査などから、胎児の染色体異常を推定します。
妊娠中期には、心疾患・脊椎異常・口唇口蓋裂など目に見える形態異常の有無を細かい観察によって検査します。費用は2~4万円程度が相場です。
■母体血清マーカーテスト
実施時期は妊娠15~18週です。妊婦の採血から胎児の体で生成されるホルモン濃度を測定し、染色体異常が発生する確率を割り出します。
費用は1~2万円程度が相場です。
■NIPT(母体血胎児染色体検査)
NIPT(母体血胎児染色体検査)は「新型出生前診断」とも呼ばれ、母体の採血で胎児の染色体異常の可能性を調べる検査です。出生前診断の中では最先端の検査方法です。
検査対象は、21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーの3種類限定です。この検査の特徴は、「陰性」の検査結果の信頼性が高いことです。この検査で陰性がでれば、先述の3つの染色体異常は99.9%の確率で「ない」といえます。
実施期間は妊娠10~22週頃ですが、陽性判定後に羊水検査で確定診断を受けることを考えると、妊娠15週目ごろまでに受診するとよいでしょう。
ただしこの検査を受けるためには、「妊婦が35歳以上(出産予定日時点)」、「妊婦もしくは配偶者に染色体異常がある」、「染色体異常の胎児を妊娠・出産した経験がある」など、一定の条件を満たす必要があります。
費用の相場は20万円前後と高額です。
〈確定的検査〉
確定的検査とは、「疾患がある」・「疾患がない」と確定させる診断のことです。確定的検査には「絨毛検査」と「羊水検査」の2種類があるのですが、ともに胎児の疾患を100%に近い確率で判定できる精度の高い検査です。
いずれの検査方法も、妊婦のお腹に針を刺したり、子宮頸部にカテーテルを挿入したりするため少し痛みを伴います。また流産や感染症などのリスクも少なからずあります。
絨毛検査・羊水検査ともに検査費用はそれぞれ10~15万円程度が相場です。
■絨毛検査
実施は妊娠11週以降から可能。妊婦のお腹に針を刺すか、子宮頸部にカテーテルを挿入して胎盤から絨毛という組織を採取します。胎児の細胞を培養して染色体異常や構造に異常がないかを調べる検査です。
■羊水検査
実施は15~16週以降から可能。妊婦のお腹に針を刺して、羊水を採取します。子宮内の羊水には胎児の剥がれ落ちた皮膚や粘膜の細胞が含まれているので、その胎児由来の細胞を培養し、染色体異常や構造に異常がないかを調べる検査です。
出生前診断をするメリットは?
■胎児の状況に対し備えができる
出生前診断を受けて、胎児に異常があるとわかれば、早い段階で病気の治療ができます。同時にあらかじめ病気に関する情報収集や、家庭内での子育て体制のシミュレーションなどの備えができます。
■心にゆとりができる
妊娠中は赤ちゃんが無事健康に産まれるのかどうか不安になる方は多いでしょう。事前に、出生前診断を受けることで胎児の病気の可能性を否定することができます。陰性の診断がでれば、妊婦はもやもやとした不安から解放され、精神的にゆとりが生まれることでしょう。
■夫婦で今後の生活を話し合うきっかけになる
出生前診断を受けて、もし赤ちゃんの病気が判明したら、どのような選択をするのか?
その決断を含め、今後の生活について夫婦でじっくりと話し合う時間を設けることになる点も出生前診断を受けるメリットと言えるでしょう。
出生前診断の問題点
■すべての病気の可能性がわかるわけではない
出生前診断でわかる病気は、主に「ダウン症」「エドワーズ症候群」「パトー症候群」「ターナー症候群」「クラインフェルター症候群」などの染色体の異常で引き起こされる一部の病気のみです。
つまり、出生前診断で異常が認められなくても、出産後に他の疾患が見つかる可能性は考えられます。出生前診断の判定結果はあくまで目安であり、確実にすべての病気を否定するのもではないと理解しておく必要があります。
■出生前診断の正確性は100%ではない
出生前診断を受けその結果が陰性であったとしても、実際に出産をしたら染色体の異常が認められるケースがあります。出生前診断の検査結果は100%正確ではないという点はデメリットの1つかもしれません。
■母体・胎児に負荷がかかる
確定的検査の「絨毛検査」や「羊水検査」では多少なりとも母体と胎児に負荷がかかります。流産、感染症、破水など万が一のトラブルも想定しておく必要があります。
■精神的な負担が増える
出生前診断で胎児に染色体異常などが認められた場合、胎児の両親は不安に感じ、今後のことを考えて悩むことでしょう。
妊婦の過度なストレスは、母体・胎児に悪影響を与える可能性があります。切迫流産や切迫早産の危険も高まり、最悪の場合、流産してしまうことも。出生前診断は結果によって精神的な負担が増えてしまう問題点があります。
■中絶を助長する
出生前診断を受けることで、出産前に胎児の病気が判明します。もし結果が陽性であれば、胎児の両親は今後どうしていくのかを決断することになります。
中には家庭の事情により中絶を選択される方もいますが、中絶手術は、それ自体が母体にとってリスクとなります。もしかしたら次の妊娠を望むことができなくなるかもしれません。
また、中絶したことでうしろめたさや後悔の念に苦しむことになるかもしれません。そういった点もまた、出生前診断の問題点といえるでしょう。
まとめ
いかがでしたか。晩婚化、高齢出産が増えている現代社会において、妊娠中に胎児の病気を発見する医療技術は、今後さらに精度が高くなっていくと言われています。
出生前診断は、誰もが無条件に受けられるわけではありませんが、染色体異常のリスクが高いとされる高齢出産の妊婦さんや過去に染色体異常の赤ちゃんを授かった経験がある妊婦さんなどにとっては、出生前検査は不安要素を減らす心強い味方ともいえます。
出生前診断にはメリットとともに問題点も多く存在します。それらを踏まえて、パートナーとじっくり話し合い、ふたりにとって後悔のないベストな選択をするようにしましょう。
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