赤ちゃん・育児

今話題の男性育休取得。実際にとったらどうなる?

「今話題の男性育休取得。実際にとったらどうなる?」

最近よく話題となっている男性の育休取得ですが、果たして実際に取得できる環境が企業にあるのでしょうか。また取得したらどうなるのか?実態が明らかになっていないと男性もなかなか取得するイメージも湧かないかと思いますのでお話させていただきます。

育児休業とは?


そもそも、育児休業とはどんな制度なのでしょうか。
育児休業とは、原則として1歳に満たない子どもを育てるために取得する休業を言います。
育児休業を取得できる労働者の条件は下記の通りです。
・日雇いではない
・同一の事業主に1年以上続けて雇用されている
・週3日以上労働している
・申し出の日から1年以内に雇用期間が終了することがない

※有期契約労働者の場合
・同一の事業主に1年以上続けて雇用されている
・子供が1歳6か月に達する日までに労働契約が満了し、更新されないことが明らかでない

女性だけが取得するというイメージが強いかと思いますが、この制度は決して女性だけの権利ではありません。
上記の条件を満たしていれば男女関係なく取得可能なのです。
1991年より、「育児・介護休業法」によって法律で認められています。
勤め先の企業に、育児休業制度がない場合でも、申し出ることで休暇を取得することが可能です。

育休の期間とは?


男性・女性どちらかだけが取得する場合は、子供が1歳になる誕生日の前日までが育休の期間となります。
男性・女性どちらも育休を取得する場合は、育休の期間は1歳2か月になるまでとなります。この制度を「パパ・ママ育休プラス」と言います。
万が一、保育園に入れたくても入れずに待機児童となった場合は、1歳6か月になるまで延長が可能です。
また、平成29年10月から法改正により、1歳6か月以後も保育園に入れない場合は、申し出をすると最長2歳まで再延長することが可能となりました。

また、特例として「パパ休暇」と呼ばれる制度があります。
育休は原則として1度しか取得できないとされていますが、産後8週間以内にパパが育児休業を取得した場合に限り、合計1年を超えない範囲であれば、2度目の休業を取得できるという仕組みです。

男性からの育休取得のイメージとは?


まだまだ世間では、男性が育休を取得する人が少ないのが現実です。
それは、なぜでしょうか。

・仕事から離れる勇気がない
・出世コースから外されそう
・周りの理解を得られなさそう

このような意見をもつのが現実です。
企業内で男性が育休を取得した事例がなかったり、部署内の人数が少なく言い出せなかったり、何か月も仕事から外れたら戻る場所がなくなってしまうのではないかと思ったり…今の仕事から離れる勇気がなく不安になってしまうのは、仕方がないのかもしれません。

では、実際に育休を取得している人はどれほどいるのでしょうか?

実際の男性の育休取得率とは?


厚生労働省が2018年5月30日に発表した情報によると、2017年度に育児休業を取得した男性の比率は5.14%だったということです。
前年度から1.98ポイント上昇し、比較可能な1996年度以降では最高の数値とのことでした。
それと同時に女性の取得率は1.40ポイント上昇し、83.2%だったそうです。

取得事業別に見てみると…
●金融・保険業(15.76%)
●情報通信業(12.78%)
●生活関連サービス業・娯楽業(1.19%)

少しずつではありますが、世間でも男性の育休取得を推進する流れが作られているということに希望は持てます。
厚生労働省は20年度までに男性の育休取得率を13%にする目標を掲げているようです。

実際に取得するとどんな変化があるか?


ここで、ある事例をご紹介したいと思います。

某保険会社では、2013年度から男性の育休取得率100%を目標として打ち出し、初年度から5年連続で達成しているそうです。
従業員9割が女性の会社の為、より女性が活躍できるよう支援しようというところからこの取り組みは始まり、女性だけでなく男性を巻き込んだ改革が行われました。
もともと、育休を希望する男性従業員が多かったわけでありません。
アンケートを取ったところ、「希望していなかったが会社の方針で取得した」という消極的な回答が7割を占めていました。
しかし、実際に取得してみると「機会があればまた取りたい」という意見が大半という結果となりました。
育休を取って、家族との関係で変化したと思うことを聞くと、

〇家事・育児に積極的に関わろうと思った
〇配偶者などの愚痴や悩みを受け止めようと思うようになった
〇子供(達)の様子や気持ちがよくわかるようになった

などの回答が返ってきました。
家事・育児の大変さやママの負担の大きさを目の当たりにすることで、家事・育児への関与、ママとの関係に対する意識の変化につながる可能性があることが判明しました。

この某保険会社では、子供が生まれると「育休いつとるの?」という会話が当たり前となり、育休を考慮した年間計画を提出してもらい、上司にもフォローを呼びかけるなど、組織ぐるみで取り組んでいるそうです。

また、育休取得を経験することで、育児の大変さを実感し、一緒に働く女性への気遣いも生まれているのです。
「時短で帰る同僚女性を羨ましく思うこともあったが、彼女は帰宅してもここからもうひと踏ん張りしていることが分かった。今は「お疲れ様」ではなく「いってらっしゃい」と声をかけている」という男性従業員からの言葉もあったそうです。
このように企業として男性育休取得制度を促進していると、管理職にも育休経験者が増えていくため、より働きやすい環境になっていくと期待できるでしょう。

男性が育休を取るために必要なこととは?


いざ取るとなると、取りにくい…ということがないように、日常から育休を取得しやすいように準備を行うことをお勧めします。
それには、何ができるのか。
ご紹介しましょう。

■良好なコミュニケーションを保つ
■引継ぎをしっかり行う
■復帰後の計画を上司に伝える

上記の事は、育休を取りたいと言ってやることではないとは思いますが、日ごろから社内でのコミュニケーションを大切にすることで、信頼関係を築き、チームワークを高めていくことでより育休が取りやすくなります。

また、いつも通り日々の業務に追われていると、あっという間に育休の日が来てしまいます。引継ぎをしっかり完了して育休に入れるように、計画的に業務を行いましょう。
そして、育休取得を申し出るのもタイミングを見計らって、前もって、まずは直属の上司に相談をしてみましょう。その際に復帰してからも活躍するんだという意思を伝えるために、復帰してからの計画を伝えておくことも良いかもしれません。

上記のことが上手くできていれば、育休の間も温かい目で見守ってくれることでしょう。

「イクメン企業アワード」って知ってる?


2013年より、「イクメン企業アワード」が厚生労働省により実施されています。
これは、男性の仕事と育児の両立を促進し、業務改善も図られている企業を表彰する制度です。
また2014年から「イクボスアワード」として部下の仕事と育児の両立を支援する上司を表彰しています。
このような表彰を通じて先進的な取り組みを普及することなどにより、国として両立支援の輪を広げています。

男性の育児休暇取得を義務化にする動きも


育休を取得したいという人が増えても、取得できる環境が整っていないという状況を受け、自民党の有志議員が、男性の育児休暇取得の義務化を目指す議員連盟を発足させることを決め、2019年5月23日に初会合を開きました。
「義務化」とはなかなか思い切った表現ですが、それくらいの荒療治をしなければ、これまでの文化は変えられないとの考えからのようです。

少子化に歯止めをかけようと教育の無償化などを行なっていますが、それだけでは大きな変革にはならないとも言われています。
このような思い切った改革が必要な時なのかもしれませんね。

まとめ


いかがでしたでしょうか。
ひと昔前では、「男が育休?!話にならん!」と言われてしまうような世の中でしたが、現在では年々、育休を取得し、一緒に子育てを楽しみたい!成長を見たい!という男性は増えてきています。
実際のところ、まだ男性が育休を取得しづらいところが多いかと思いますが、今後はイクメンの方が評価されていく時代になるかもしれません。
自分から堂々と育児参加を発信した方がかっこいいですよね。

企業全体で男性の育休取得促進制度に取り組む世の中が当たり前となり、男女ともにより輝ける環境になることを期待したいです。
そして、このような取り組みにより、育児ノイローゼに苦しむママさんや、虐待に苦しむ子供たちを救う要因ともなるかと思います。

子供のため、ママのためにも育休を取得することを考えてみてはいかがでしょうか。

 

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