妊娠
海外での出産事情というと、イギリスのキャサリン妃の出産はインパクトがありました。3人目の出産は2018年4月。11時に出産して7時間後の18時には退院というスピーディーな出産で話題になりましたね。このような日本と違う海外の出産事情をご紹介します。
イギリス人女性の多くはその日に退院
キャサリン妃の出産直後のキラキラした姿は、時に理想の押し付けであると批判されることもありますが、実際にイギリス人女性の多くは、自然分娩で体調に問題がなければ出産したその日、または翌日に退院しています。
もちろん、帝王切開などが行われた場合はこの限りではありません。
イギリスにはNHS(National Heath Service 国民健康サービス)の病院と私立病院があり、前者であれば入院費用も含めお金が一切かからないため、ほとんどの人がこちらで出産します。
そしてNHSとしても経費削減を行うため、問題がなければその日や翌日中に退院させているのです。
ちなみに私立病院では1日に70万円以上かかるのが一般的とか。
こちらはこちらで、のんびり入院もしていられないような額ですよね。
その他アメリカやカナダなど欧米諸国は退院が早い
イギリスだけではなくアメリカなど欧米諸国では、その日や翌日など、短期間で退院するところが多いです。
もちろん、ドイツのように3泊4日程度入院をする国もあります。
<無痛分娩が主流>
欧米では、無痛分娩が主流です。そのため母体への負担が少なく、短期間で退院することが可能になるといえます。
<アメリカやカナダは帝王切開が多い>
アメリカやカナダは無痛分娩だけでなく、帝王切開も非常に多いことで知られています。少しでもリスクがある場合は帝王切開の判断が下ることが多く、それには普通分娩を行なった上のトラブルで訴えられることを避けるためという事情もあるようですね。
<夫の育児休業が一般的>
欧米諸国では、夫の育児休業が一般的。アメリカでは2週間程度、ヨーロッパ諸国では3ヶ月程度育児休業を取得し、一緒に家事育児を行うようです。そのため、日本のような里帰り出産の文化はありません。
また、助産師さんなどプロの訪問サポートを受けられる国もあるようです。
同じアジアである中国の出産事情とは?
中国といえば2016年まで36年間も続いた一人っ子政策が有名ですね。
中国と一口に言っても、病院によって受けられるサポートの大きな差があるようです。
富裕層や外国人向けの病院では普通分娩(3泊4日)で100万円以上、帝王切開となると200万円近くかかります。一般の病院では10〜20万程度ということなので、10倍程度の差があるわけですね。
また中国では産婦人科に限らず、評判の良い病院にかかるためには長蛇の列がつきものであるとか。夫婦で妊婦健診の際に長蛇の列に並ぶそうです。
<帝王切開が多い>
中国では、帝王切開での出産が50%近いと言われています。普通分娩よりも帝王切開の方が傷みも少なく安全であると考えられていて、一人っ子政策の時には「たった一人の子供をもっとも安全な方法で!」と帝王切開を望む妊婦さんが多かったようです。
また、風水などで子供が生まれる日を決めたいという人もいます。
<中国の産後は「坐月子(zuò yuè zi)」>
中国では、2000年前からの伝統である「坐月子(zuò yuè zi)」という風習があります。これは産後の回復期6週間のことで、この期間を非常に重視しており、この時期に無理をすると後々母体に悪い影響が出ると考えられているのです。
日本でも産後6~8週間ほどを「産褥期(さんじょくき)」とよびます。この時期に無理をすると産後の肥立ちが悪くなるといい、十分に体を回復させることが推奨されています。この期間は布団を敷きっぱなしにしておいて、産褥期を終えて布団をしまうことから、床上げという言葉もあります。中国の坐月子はこの産褥期に似ていますね。
しかし中国の坐月子にはかなり細かい禁止事項があり、最も有名なのは「不能碰冷水(bù néng pèng lěng shuǐ 冷たい水に触れてはいけない)」というもの。今でも1週間は入浴しないのが一般的だそうです。
他にも外に出てはいけない、泣いてはいけない、と言ったような細かな規則があるとか。ちょっと大変そうですよね。
長く続いた一人っ子政策により、一生に一回の坐月子は特別な期間。夫の実家か専門施設で過ごす人が多いとのことです。
専門の施設では24時間体制で赤ちゃんの世話してもらえるので、授乳以外はゆっくりと体を休めることができます。加えて体に良く美味しい食事が提供され、フィットネス教室などにも参加することができます。月30万くらいが相場のようですが、中には月1000万円以上のとんでもない額を費やす富裕層もいるそうです。
<家族を大切にする中国。夫も休暇を取得>
日本以上に家族を大切にする中国の文化。妻や子供が病気をした時でも、仕事を休むということが比較的多いと言われています。そんな中国人男性は妊婦健診や出産・入院などの場合もお休みを取得することがあるようです。
そんなことも?各国の出産事情
<タイ>
バンコクは慢性的に交通渋滞が発生します。そのため、タクシーの中で出産してしまう妊婦さんも少なくないとか。さぞかしドライバーにとって迷惑だろうと思いますが、車内での出産は「幸運の印」とされているそうです。
<韓国>
産後調理院でゆったりと過ごす人が増えており、今や二人に一人が利用しているといいます。日本でも女優の小雪さんが利用したとのことで話題になっていましたね。まるでお姫様のように対応してもらえると言われていて、産後調理院同士の競争も過熱気味だとか。
2週間の利用が一般的で、首都ソウルでも安いところで2週間14万円程度から利用可能。高いところだと70万円以上などもあるようですが、中国と比べると理解できる価格帯ですね。
<オーストラリア>
おおらかなお国柄もあってか、妊婦健診は結構アバウトだとか。
出産についてはこちらも欧米諸国と同じく、無痛分娩が主流で、入院期間は非常に短いです。
その代わり、退院後に助産師さんなどが自宅を訪問してくれるとのことです。
最後に
いかがでしたか?国が違えば、出産事情も様々です。
妊娠期間でいうと、日本と違って体重制限をされる国は少ないようです。日本で妊娠中、体重制限に苦しめられた妊婦さんもたくさんいると思いますが、なければないで太り過ぎが心配になるので、ありがたい指導かもしれませんね。
もし、海外で出産するということになったら、十分な下調べをしたうえで出産を迎えましょう。
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