妊娠
妊娠中、今まで経験したことがない体の変化に驚くことが多々あります。「これってあたしだけかしら?」と不安に思うことがあるでしょうが、それはあなただけではないので安心してください。そんな妊娠中のあらゆる体の変化についてご紹介しましょう。
体重の変化
妊娠中は体重の変化が著しく、これは個人差が出やすい変化の1つです。
体重は増えすぎも、増えなさすぎも良くありません。
■厚生労働省から推奨されている体重増加量は下記の通りです。
・痩せ気味の人(BMI 18.5未満)は9~12㎏
・普通の人(BMI 18.5~25.0)は7~12㎏
・肥満の人(BMI 25.0以上)はおよそ5㎏
※BMIの計算式…体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)
近年では、妊娠中の体重管理を非常に厳しくされています。
というのも、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や妊娠糖尿病などになるのを防ぐためなのです。
しかし、ここ20年の間に低体重で生まれてくる赤ちゃんが多くみられます。この赤ちゃんは2500g未満の場合、低出生体重児と判断されます。
これは、上記の妊娠高血圧症候群などにならないように体重管理する意図の他に、体重が増加して産前とスタイルが違ってしまうことに戸惑ったり、太ることが嫌だったり、産後のスタイルを気にしてあまり体重を増やさないようにする妊婦さんが多くみられることが関係しています。
このように妊娠中の体重増加を抑えすぎると、赤ちゃんの発育が抑制されてしまうという問題が起こる可能性があります。ある程度の体重増加は必要ですよ。
本当に個人差があるため、食事管理をして適度に体を動かしているにも関わらず20㎏近く太ってしまった…なんてこともあります!
そして、しっかり食べているのに全然体重が増えない…という妊婦さんだっています。
筆者は2人の男の子の母ですが、一人目は臨月になる前に早産で生まれたのですが、36週前で18㎏程太ってしまいました。二人目は反省し、体重管理を徹底し、仕事も育児も家事も頑張っていましたが、やっぱり18㎏太ってしまいました。
私の友人は痩せ型でしたが、つわりで7㎏程痩せて、結果体重増加は4㎏。
こんな人達もいます(笑)
ですが、やはりお医者さんと相談し、今の体重増加は適切なのか、範囲内の増加なのか…などと指示をもらいながら体重管理を頑張りましょう。
体型の変化
妊娠すると体型のラインにも変化があります。
■初期~中期
バストやお腹、お尻などがふっくらして丸みを帯びてきます。
これも個人差はありますが、初期から下っ腹が少しポコッと出ていると感じる人もいます。
(私も一人目の妊娠発覚時から、お腹が出ていていつものデニムがきつく感じていました)
中期からはお腹がますます目立ってきて、外見からでも妊婦さんということが分かるようになってきます。
また、バストも腕も大きくなってくるので、なるべく締め付けない下着をつけるように心がけましょう。
■中期~後期
お腹が大きくなるにつれ、だんだんと妊娠線が現れる可能性が高くなります。妊娠線はいわゆる肉割れです。お腹だけでなく、胸、お尻、太ももでもなる可能性が大いになります。
妊娠線を予防するには、クリームやオイルを塗って保湿をしっかりしましょう。
後期になってくるとお腹の下の方が見えないので、さらに要注意です!
そして想像以上にお腹は大きくなり、ますます重くなりますので、ゆったりとした服装、行動を心がけましょう。
そして、お腹だけでなく骨盤が広がりますので下半身が大きくなります。
女性としてはお尻が…太ももが…という気持ちは非常にわかります。ですが、お腹の赤ちゃんを守っているのはその下半身です。今は寛大な気持ちで、産後頑張ろう!と考え、ストレスに感じないでください。
つわり
つわりも個人差が激しく、それぞれ症状が違います。
皆さんのつわり経験を参考にしてご紹介しましょう。
つわりは妊娠が発覚してから起こる人もいれば、つわりで妊娠が発覚する人もいます。
主に妊娠初期、4週~15週に見られ、最もつらい時期が8~9週のことが多いですが、ずっと続く人もいれば全くない人もいます。さらには、初期、中期にはなかったのに後期づわりにひどく悩まされる場合もあります。
では、どんな症状があるのでしょうか。
■吐く、吐き気がする
胃がムカムカして、我慢できずに吐いたり、終日二日酔いのような吐き気に襲われます。
一日中、トイレにいることもあり、水分も取れなくなってしまう人は脱水症状となってしまうため、入院する場合もあります。
またお腹が空いたときにムカムカする人もいたりします。それは「食べづわり」と呼ばれます。
■ニオイに敏感になる
いつも大丈夫だったニオイが急に苦手になる人もいます。これは、自立神経が不安定になることで起きるとされています。ご飯が炊けるニオイや、ダシのニオイ、コーヒーのニオイなど、今まではいい香りだぁと思っていたもので吐き気を催してしまうことがあります。
■眠気がする
常に眠くて仕方がない、という人が多くいます。
どれだけ寝ても、ずっと眠くて体がだるいことがあります。
■イライラ・頭痛がする
小さなことでイライラしたり、ひどい頭痛が続いたりする場合があります。
生理前のような症状が起こることがあり、それはつわりの期間に見られることが多いです。
■腰痛・腹痛・便秘・下痢
腰の鈍痛、腹痛や子宮の痛み、便秘になる人もいれば、下痢になる人もいます。
生理前の症状に似ていますよね。しかし、下腹部の痛みは生理痛の痛みとは少々違い、子宮を引っ張るような感覚の痛みがあります。
■食欲増進
食欲増進は、食べづわりともつながりますが、食べていないと吐き気がするためずっと食べていたりします。ですが、食べすぎては初期で体重が急激に増えてしまうため要注意です。飴やおしゃぶり昆布やガムなど、口がさみしくないようにカロリーが低めな物を選んで乗り越えましょう。
■食べ物の好みが変わる
今まで好きだったものが急に食べられなくなってしまったり、嫌いだったものが急に食べられるようになったりすることがあります。
また、しょっぱい物を好みおせんべいばかり食べていたり、甘いものを欲したりと、人によって好みが変わる場合があります。
つわりの間は、食べられるものが限られるため、食べられるものを食べられるときに食べて、少しでも栄養を摂るようにしましょう。
≪なぜ、つわりは起こるのか?≫
原因は実はまだはっきりとは特定されていませんが、妊娠したことによって妊娠を維持するためにホルモンバランスが大きく変化し、その変化にお母さんの身体がついていっていない、適応が間に合っていないゆえに、様々な症状が起こると考えてられています。
また、精子の侵入や、胎児を母体が異物と判断してアレルギー反応を起こすともいわれています。
≪つわりの対処法とは≫
・食べられるものを食べられるだけ食べる
・食事を細かく区切り、少しずつ食べる
・できる限りゆっくり休む!無理をしない!
・日常生活ができない場合はお医者さんに相談
足がつる・こむら返り
お腹が大きくなってくると、大半の妊婦さんは足がつる経験をするでしょう。
夜中になってしまって、痛くて飛び起きることもしばしば…。
でもそれは決して悪いことではなく、妊娠中によくある症状ですが、本当に痛いのでできればなりたくないですよね。
では、足がつる・こむら返りとはいったい何でしょうか。
足がつる・こむら返りとは、足の筋肉が急に収縮した状態で硬直してしまうことを言います。
最も多いのがふくらはぎに起こる症状ですが、他にも足の指、土踏まずなどいろんな部位に起こることがあります。
何故こむら返りになるのか?
妊娠中は、お腹が重くなることで骨盤、背骨、腹筋などに負担がかかり、身体の筋肉にも同時に負担がかかっています。間接的につながっている足の筋肉にも影響を受けており、筋肉が疲労を起こしてつってしまうのです。
また、妊婦さんは血行が悪くなり、体が冷えたり、栄養不足が原因で足がつることもありますので、身体を冷やさないように毎日お湯につかったり、適度な運動、バランスの良い食事を心がけましょう。
手足のむくみ
妊娠中はホルモンの影響で生理的に水分を溜め、中期以降は手足がむくみやすくなります。
妊婦検診で毎回むくみのチェックをされるかと思いますが、妊娠高血圧症候群が原因でむくんでいる場合もありますので要注意です。
なぜ、妊娠中はむくみやすくなるのでしょうか?
妊娠中にむくみやすくなるのは、ホルモンバランスが変わることが原因が一つです。
妊娠を維持するためにプロゲステロンという女性ホルモンが分泌され、皮下組織に水分を溜める働きをしているので、手足がむくみやすくなるのです。
後期になると、お腹がますます大きくなり、太ももの太い血管を圧迫してしまうため、血液が滞り、特に足がむくみやすい状態になってしまいます。
≪むくみの対処法とは≫
・水分をしっかりとる
・塩分を控えめにする
・ストレッチをする
・体を冷やさないようにしっかり入浴
むくむから水分を摂らないようにするというのは間違いです。
水分量が減ると、血液循環が悪くなってしまい逆効果ですので、しっかり水分を取りましょう。カフェインレスのお茶か常温の水を飲むことをお勧めします。
そして、一番大事なことは塩分を控えめにすることです。塩分を摂りすぎると体重増加にもつながりますので、意識して塩分を控えるようにすると良いでしょう。
番外編〜こんなこともありました〜
え?そんなこともあるの?という変化をご紹介します。
・ お腹の毛が濃くなる(おへその下に線ができる)
・ お腹以外の毛が薄くなる
・ 乳首が黒くなる
・ 出産していないのに母乳が出る
・ シミ・ソバカスが増える
・ 尿もれする
・ 痔になる
結構多くの妊婦さんが経験していることです。
あなただけじゃありませんよ。
最後に
妊娠中の身体の変化は様々で、十人十色です。
個人差があり、一概にこれが起こる、これは起こらないというのは言えません。
同じママさんでも、1人目の症状と2人目の症状が違うため、全く同じことなんてないのです。
辛いこと、苦しいことがたくさんあるかと思いますが、お腹の中に赤ちゃんが宿るということは、とても神秘なことですので、赤ちゃんと一緒に頑張って乗り越えましょう。
初めての妊娠の方は、全てが初めてですので不安なことばかりかと思います。不安なことがあれば、ストレスにならないように主治医や看護師さんに相談してすっきりすることをお勧めします。
素敵なマタニティライフになりますように。
コメント
コメントがありません。